薬師堂（瑠璃殿）

薬師堂では、毎年11月3日文化の日に開催される「薬師まつり」で「藤原一族薬師まいり」のハイライト「御礼の情景（儀式）」が行われます。

薬師まつりは、栗原市に伝わる物語「しづはた姫物語」に縁のあるお祭りです。奥州藤原氏の環姫（幼名：しづはた姫、後の北の方）が平泉に向かう途中で病に倒れ、栗原市築館の杉薬師如来に祈願したところ、たちどころに快癒しました。

その御礼に平泉から藤原一族が杉薬師にやって来る様子をパレードで再現しています。

●木造薬師如来坐像（重要文化財）
薬師瑠璃殿の本尊で「薬師瑠璃光如来坐像」といいます。全体を1本のケヤキ材から丸彫りにつくり上げたもので、東北地方に現存する仏像では最古の一つといわれています。大正9年8月16日指定。

●木造増長天立像・木造持国天立像（重要文化財）
薬師如来坐像を納めた厨子の左右に立っている木造持国天立像の四天王のうちの2体。素地に彩色したケヤキ材の一木彫で、下に踏んでいる邪鬼も一緒に彫り出しています。大正9年8月16日指定。

●銅造阿弥陀如来立像（宮城県指定有形文化財）
善光寺阿弥陀如来といわれる型で造られている銅像です。容姿端正、温顔微笑をたたえているところに特徴があります。鎌倉時代後期の作。昭和37年6月28日指定。

●木造地蔵菩薩立像（宮城県指定有形文化財）
杉薬師双林寺では、延命地蔵尊と名付けられています。手で抱いて祭礼に練り歩いたとういうせいか光沢があり、衣の襞（ひだ）や顔などは磨滅していて、地方の身近な信仰が感じられます。昭和36年4月1日指定。

●開帳日　5月８日、9日
●観覧料金 大人300円、団体50人以上の大人200円、高校生100円、小学生・中学生50円
　※開帳日以外の観覧について、団体の場合は相談に応じます。

【問い合わせ先】
双林寺 電話：0228-22-5028

宮城県指定天然記念物の姥杉は、双林寺境内の東端にあり、高さ34メートル、目通りの周囲10メートルの巨木です。樹齢は1200年を越えるといわれ、「薬師の姥杉」とよばれ市民から親しまれています。

現在は途絶えていますが、年末の「しめ縄奉納祭」では、青年たちがこの巨木に飾る太いしめ縄を担いで街中を練り歩き、地域の安奉と発展を祈願して姥杉にしめ縄を奉納していました。昭和30年3月25日指定。