初めての栗駒山 ジオパークでカヤック体験
更新日: 2023年04月07日(金)
日帰りでも登りごたえ抜群! 登山入門者から熟練者まで経験に応じて選べる登山コース。絶景の景色を楽しめる栗駒山をみなさんはご存知ですか?
栗駒山でトレッキングを楽しもう!
栗駒山は標高1,626メートル。東北地方の中央に位置し、宮城・岩手・秋田の三県にまたがる円錐状の裾野をもつコニーデ型の火山で、その美しい姿から奥羽山脈の女王と呼ばれています。
女王と呼ぶにふさわしいこの優美な姿! 下からみても本当に美しいですね。
登山愛好家ならみんな知っている「日本百名山」を著した深田久弥は、その後書きの中で「東北では秋田駒ヶ岳と栗駒山を百名山にいれるべきであったかもしれない」と触れている隠れた名峰です。
よく整備された登山道
登山入門者から熟練者まで、経験に応じて楽しめる9本の登山道が用意されているので、初心者の方でも安心して登山を楽しむことができますよ。
また「花の百名山」としても知られていて、150種類もの高山植物が群生しています。6〜7月は特に多くの花々を楽しむことができます。
9月末の秋からは、「神の絨毯」と称される見事な紅葉の大絶景を楽しめます。
周辺には魅力的な温泉も多数あり、登山でかいた汗をサッパリ流して帰ることができますよ。
せっかく栗原まで足を伸ばしたのなら、豊かな自然を全身で感じられるカヤックや沢遊びなどのアクティビティーもおすすめ。
夜は満天の星空があなたを待ち受けています。
それでは、実際に私が栗駒山に登った体験も踏まえて、詳しくご紹介していきます。
栗駒山の登山コースについて
山頂への最短道。道は石畳などで整備され、危険個所が少なく初心者向き。四季を通して比較的安全に登下山でき、避難経路としても最適な登山道です。私はこのルートを歩きました!
東栗駒コース
美しい沢登り、雄大な栗駒山を眺めながら気持ちの良い稜線歩きを楽しめる、短距離ながら登山の魅力が凝縮された初心者におすすめの登山道です。
湯浜コース
美しい渓流と滝、秘湯、ブナの原生林、高山植物あふれる高層湿原、南奥羽の展望を楽しめる静かな玄人好みの登山道です。
表掛コース
古来からの登山道。ブナの森の森林浴、渓流を遡行する石飛八里、御室の大雪渓と高山植物が咲き誇るお花畑、展望良好の稜線歩きが楽しめます。
裏掛コース
表掛と共に古来からの登山(下山)道。訪れる登山者は少なく、豊富な高山植物が魅力。岩手・宮城内陸地震の爪痕が手つかずで残る栗駒山麓ジオパークの見所です。
大地森コース
世界谷地のニッコウキスゲ、ブナの巨木が広がる大地森、高山植物が咲き誇る御室、山頂近くの眺めの良い稜線歩きが魅力の静かな登山道です。
栗駒山登山の装備や服装について
十分に装備をご確認のうえ安全に登山をお楽しみください
栗駒山登山に必要な装備は、登る季節によって異なります。シーズンを通して必要になるベーシックな装備品を以下に記載しました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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レインウェア(上下)
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アンダーウェア(吸水速乾性があるもの)
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ズボン(伸縮性があるもの)
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防寒着(中間着)
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トレッキングシューズ
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リュック
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靴下(吸水速乾性のある肉厚なもの。ウールがおすすめ)
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手袋(UVカット機能を備えたトレッキンググローブ。メッシュ素材なら汗ムレも抑えられます。残雪期は防水機能を備えたものに)
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帽子(UVカット機能を備えたもの。転倒時の怪我防止にも)
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ヘッドランプ
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飲料水(お水やスポーツドリンク。山での行動時間1時間当たり300ミリリットルを目安に、5時間の日帰りハイキングでは1.5リットルほどの飲み物を用意しましょう)
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行動食(糖分やカロリーがしっかりあるものがおすすめ)
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地形図・登山地図、コンパス(磁石)
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トレッキングポール
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タオル
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絆創膏などの救急用品や常備薬
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健康保険証(またはコピー)
登山届けについて
各コースのスタート地点に登山届提出用のポストを設置。中央コースについては栗駒レストハウス前に設置しています。
万が一遭難してしまった場合に、救助隊に必要な手がかりや情報を伝えることができ、早期発見・救助につながります。内容を省略せず、正確に記載し、必ず提出してください。
もし忘れてしまった方は、ポストにも用紙と記入用の鉛筆を用意しているのでそちらをご利用ください。
栗駒山中央コースについて
初心者やお子さま連れにおすすめなのがこちらの中央コース。道中に絶景を拝める撮影スポットが多数あるので、初心者以上の方にもおすすめのコースです。
まずは、栗駒レストハウスからスタート。登山道に入った後はお手洗いがないので、こちらで済ませてから登山開始がおすすめです。
登山道に入った後はひたすら真っ直ぐ歩くだけ。道迷いの危険も少なく、安心して山登りを楽しむことができます。この日はなんと乳児を抱っこしたお父さんや、小さな5歳の男の子、80歳のおばあちゃんにお会いしました!
栗駒山は、老若男女に愛される山なんですね〜。
人の手で整備された登山道が続きます
ずっと曇がかかっていて心配でしたが、標高が上がるにつれてどんどん雲が晴れ、頂上にさしかかる頃にはすっかり晴れ間が広がりました!
山の天気は変わりやすいので、事前に天気予報をしっかりとチェックしていきましょう。
道中は思わずカメラのシャッターを切りたくなる風景の連続で、なかなか足を前に進めることができません。
他の登山者のみなさんも同じことをおっしゃっていたので、栗駒山を訪れる際は、
いつもの登山よりも撮影時間を多めに計算して行程を組んだ方が良さそうです!笑
見てください、この開放感〜!
まるで雲の上を歩くよう
開放感と美味しい空気に何度も深呼吸~!
栗駒山山頂から見える景色について
さて、みなさん気になるのはやっぱり栗駒山山頂から見える景色ですよね?
そこまで高い標高ではないし...そんなに周りの景色は見えないんじゃない?と思っていらっしゃる方もいるのでは?
さ〜ではではお見せいたします......
どーん!
見てください、この大絶景〜〜〜〜!360度ビューですよ!すごい〜〜〜〜!!
晴れた日の山頂からは、月山・鳥海山・蔵王連峰・秋田駒ケ岳・早池峰山、そして遠く太平洋までが一望できちゃうんです。
シーズンピークで山頂に人が多かったため、別日に写真を撮りました。
私が訪れたのは10月上旬の紅葉シーズン。素晴らしい雲海が広がっていて、それはそれはため息ものの大絶景でした!
初めて栗駒山に登った2人。山頂到達時の達成感。ドヤ〜!
実は私は登山がまったくの初めて
中央コースがいくら初心者向けとはいえ、日頃デスクワークかつ運動不足の身。息は上がり、足元はおぼつかず、何度も休憩を挟みながら汗をかきかき登ったわけです。
それでも途中途中に現れる美しい景色に、なんとか励まされながら登りました。でも、そんな辛さや疲れも、この景色をみた瞬間に全部忘れちゃいました。
「きゃ〜〜!」とか「すごい〜〜〜〜!」「綺麗〜〜!」
とか、ずっと叫んでいたような気がします。笑
深田久弥さん、今からでも遅くないので、ぜひ日本百名山に栗駒山を入れてください!入れましょう!
この高揚感が忘れられず、私は栗駒山をきっかけに登山に目覚めてしまいました。
ありがとう、栗駒山。またきます、栗駒山。
山頂部の帰りの階段が少し砂で滑りやすいので、注意して下山してくださいね。
知識たっぷりのジオガイドさんに案内を依頼すれば、さらに栗駒登山・散策が楽しくなりますよ。
栗駒山の「温泉スポット」について
さぁ、下山した後のお楽しみといえばやっぱり温泉。栗駒山は活火山なので、周辺に温泉が多数湧いています。その中でもおすすめのスポットをご紹介します。
栗駒山で楽しむ「カヤック体験」
登山だけではなくアクティビティーをプラスワンしてみてはいかがでしょうか?
栗駒山登山口のあるいわかがみ平から、車で30分程度の距離にある荒砥沢ダム(藍染湖)での「カヤック体験」がおすすめです。
乗船者全員で息を合わせてパドルを漕ぎ、栗原の雄大な自然の中でゆったりと景色を楽しめば最高にリフレッシュできること間違いなし。
今回は女子旅の2人が「カヤック体験」に挑戦!
まずはくりこま高原自然学校のガイドさんから、主にパドルの使い方を中心に講習を受けます。
「あれ?」「こう?」
普段とは違う腕の使い方に2人とも大苦戦
こちらが「カヤック体験」を行う藍染湖です。
山々が反射して美しいですね。
うまくできるかドキドキ....
カヤックに乗り込んだら、ガイドさんにそっと押してもらいます。
無事着水!行ってきま〜す!
講習時のおぼつかなさはどこへやら。いざはじめてみると、息ぴったりにパドルを漕ぎ出す2人。ぐんぐん出るスピード。あまりに息ぴったりすぎて、あっという間にはるか遠くへ。
カメラのレンズを望遠に付け替える暇もありませんでした。笑
「楽しい〜〜!」「やば〜〜〜〜い!」
2人の笑い声と絶叫がダム湖に響き渡ります。もはや完全に撮影を忘れて童心にかえっていますね。
それを追う撮影班、逃げるモデル班。
ようやく捕まりました。笑
撮影班のカヤックを漕いでいるのはガイドの方。1人で漕いでいるのに追いつけちゃうパワーはさすがのガイドさんです!
岸に帰ってくるまで、ずっと2人の笑い声がダム湖に響き渡っていました。
家族や友人同士で体験すれば、絆がさらに深まること間違いなしです。
栗原市にお越しの際はぜひ!(要事前予約)
新しい旅の形「栗駒山麓ジオパーク」
先ほどご紹介した荒砥沢ダム(藍染湖)は、日本ジオパークにも認定されている栗駒山麓の重要ポイントの一つです。
藍染湖ふれあい公園からは2008年(平成20年)岩手・宮城内陸地震により発生した、日本最大級の地すべりを観測できます。栗原に住まう人々は、豊かな自然のめぐみを享受するとともに、時に荒ぶる自然の脅威と共生しながら今日までを歩んでこられました。
そうした栗原における人と自然との共生の歴史を学べる施設が、
栗駒山麓ジオパークビジターセンターです
驚くのが床一面に映し出された栗駒山から伊豆沼・内沼までの航空写真です。
鳥になった気分で栗原市の地形を観察できます。
2008年(平成20年)岩手・宮城内陸地震でマグニチュード7.2 の地震が発生しました。その際、奥羽山脈を構成する火山の山頂から麓までの狭い範囲に、3,500を超すさまざまな種類の規模の地すべりや斜面崩壊が生じました。ものすごい規模の災害ですよね。これがきっかけで、栗原市全域でジオパーク認定をめざすことになったそうです。
当時の様子を大きな写真や動画で紹介しています。
そして、来場者の注目を一際浴びていたのがこちらの展示。
映画館なみの巨大スクリーンです。しかも、壁面と床面の二画面。
こちらの展示では、靴を脱いで映像の上を歩くことができます。
映像の中に入り込んで、全身で栗原市の雄大な自然を体験!
大きなスクリーンに映し出される
栗駒山の紅葉「神の絨毯」は迫力満点!
これなら、登山が難しい方でも栗駒山登山を疑似体験することができますね。
入口付近にはグッズ販売コーナーも。ジオガイドになった気分を味わえるポロシャツを、旅の思い出におひとついかがでしょう?
栗駒山の地質や地形、歴史を学んで登山すれば、よりいっそう登山を楽しめること間違いなし。
開館時間などの詳しい情報はこちらからご覧ください。
まとめ
どうですか? 栗駒山、登ってみたくなりました?
登山とセットで大地の成り立ちなどを学んだり、アクティビティーをプラスワンすればもっと楽しくなること間違いなし。ぜひぜひ遊びにきてください!
私は来年も登ります!