自然を満喫!星空観測と世界谷地ツアー
更新日: 2023年03月10日(金)
ここ栗原市は、自然が私たち人間を生かし、人間が自然を生かし、上手に共存している場所。
ホテルにチェックイン・夕食
栗駒山にあるハイルザーム栗駒に宿泊
つい見とれてしまう栗駒山の大自然
ううーん!っと、お〜きく両手を真上に伸ばし、伸びをしながら上を見上げればドングリの木がこちらを見つめて「どうもこんにちは」とご挨拶。今晩のお宿「ハイルザーム栗駒」を目前にして、かれこれ10分も歩いているけれど、なかなか進めない。
こんなにも人間の足を止めにかかる栗駒の木々たち。ちょっと右を向いては、ブナの木のしっとりとした肌触りに目を大きくしたり、左を向けばスグリの実をちょっと摘んだり、植物たちから「こっちこっち!」「どこ向いてるの?」などと声をかけられている気持ちになる。
広大で肥沃な土壌から、湧き上がるかのように多くの野生植物たちが息吹を上げていて、赤や黄色に移り変わった景色を見つめると、動きたくない気持ちになってしまう。
ああ、ここはいいところだなぁ。
ふぅ~、と宿に到着しチェックインを終えて部屋にたどり着くと、部屋の窓からは朱色や濃い山吹色の景色が果てしなく広がり、「遅かったね」なんて声も聴こえてきそうなほど。
そうなると、荷物なんてのは二の次。リュックを背負ったままの姿で、しばらく黙ったまま畳にあぐらをかいて外を眺めてしまった。
ザァー、サワサワ・・・風で揺れ重なる葉の音や、野鳥の声がこんなにも大きく響くものなのかと感じつつ、時計を見ると午後5時をまわったところ。空の色がだんだんと黄金色から藍色へと変わり、ちょこんと可愛らしい三日月のおでましだ。そういえば、こんなに空を眺めたのはいつ以来だろう。
さあーて、夕食の時間だ。足早に会場へ向かうと、小さなお釜からクツクツ・・・と音をたてて、お米の甘い香りを漂わせている栗原産の「ひとめぼれ」。芋煮鍋に、地酒「萩の鶴」と箸を迷わせる美しい料理がズラリ!
その中でもとびきりの存在感。これこれ「イワナの塩焼き」だ。
親指と人差し指をぴーんと伸ばして、イワナに沿わせてみると大体それくらい。でも、串に刺さっているから、本来の大きさは15、20センチかな。焼きあがって間もない熱々の状態のイワナは、表面の塩が純白に輝いていて串刺しだけど美しくも見える。さぁ、つべこべ言わず、ガブリといこう。イワナの背に歯が当たった途端に、こんがりと焼けた皮がパリッと音を立てる。
グッと噛めば、ほっくりとしたイワナの身から湯気が上がる。これは、美味しい!
中の身はホクホク食感だけど、丸ごとをそのまま塩焼きしているのでジューシーで、食べ進めるとイワナの脂が旨味となって甘みも感じる。皮の香ばしさからくる苦味と相まって、美味しさに拍車がかかって黙々と両手で串をつかみ、あっという間に食べきってしまった。
知らぬ間に口の周りには、イワナの塩がほんのりと。あらまと、ソッと布巾でおさえながら、ご馳走様でしたと一言つぶやき、周囲に耳を傾けると他のテーブルからも美味しい声。
「イワナってこんなに食べ応えあるんだ」「やわらかい!」「もう一匹食べたいなぁ」
イワナの塩焼きの美味しさは、串をつかんでかぶりつくという醍醐味も含めて、身の食感と皮の香ばしさ、そして骨まで食べられること。素朴だけど食べ応えがある昔ながらの日本の伝統調理法の良さを改めて実感。
いいもんだなぁ。
いわかがみ平で星空観測
美味しさの余韻を感じながら急足で星空観測のバスへと向かう。
夕食後の鏡に映った自分の顔は、どことなく頬がほころび満足げ。よほど美味しかったのかなと感じながら、急足で星空観測のバスへと向かう。
時刻は午後8時。周囲はとっぷりと闇に包まれ、すでに空にはいくつかの星が輝いているが、向かう先は標高1,113メートルの「いわかがみ平駐車場(栗駒山登山口)」だ。外は肌寒い程度だけれども、深くニット帽をかぶり直して、フード付きのジャンパーのファスナーをあげたら、よし防寒完了。
さあ出発するぞ!
ブルルル~ン!と、エンジンを唸らせながらバスはさっそうと山道をすり抜けていく。真っ暗闇の中でもヘッドライトの光で浮かび上がる赤や黄色の美しい木々が見えると、不思議と包み込むような安心感があった。ぎゅーっと両耳が詰まり始めてきた頃に、目的地の「いわかがみ平」に到着。
バスを降り立つと目の前が何も見えない程の暗闇。ゆっくりと擦り足で道を確認し、慎重に前へと進んでいく。そして、バスの灯りがパッと落ちると、さらに深い深い、暗闇の世界へ。
そして、ゆっくりと顔を上げ、目を見開いてしまった。
そこには、無数の星が漆黒の空にあふれんばかりに広がる。
思わずゴクリと空気を飲み込んだ。寒さとは違った緊張感からくる鳥肌がパッと体中に立ち、今ここで見ている世界が現実なのかを確かめたい気持ちになってくる。自分が天に吸い込まれているのか? それとも星たちが近づいてきているのか? そんな不思議な感覚・・・
じっくりと見つめていると、天の川をつくりだしている小さな星々は、白くガスのように連なっていたり、土星などの惑星も強い光を放ち、肉眼でも見つけることができるほどの距離感。
栗原の澄んだ空気がよりいっそう星を綺麗に見立てている。ああ、来てよかったなあ。
スゥーッとひんやりとした空気を大きく吸い込み深呼吸。名残惜しい気持ちを残しつつ、
帰りのバスの窓越しから、もう一度空を見上げた。また来よう。
世界谷地トレッキング(ガイド付き)
今日は「世界谷地トレッキング」にお似合いの晴天
昨夜は、夢のような星空を目にしてグッスリと眠ったようだ。ジャッとカーテンを開けると、今日は「世界谷地トレッキング」にお似合いの晴天。急足でウールのセーターに薄めのウィンドブレーカーを羽織る。うん、暖かくてちょうど良い。あまり厚着をし過ぎるのも汗をかいて身体を冷やしてしまうし、これかな。
そして、ストレッチ素材の動きやすいズボンに、しっかりと足首まで隠れる靴下を履いて、と。そうそう、忘れずに帽子もかぶって行こう。直射日光も強いし、虫が落ちてくるかもしれない。
よし、出発だ
世界谷地の駐車場に到着!
ハイルザーム栗駒から送迎バスに揺られること約10分、世界谷地の駐車場に到着。時刻は午前9時だがすでに駐車場には何台もの車が停まっている。ここまでは車を利用しないとたどり着けないから、駐車場が空いている朝早くがおすすめの時間というわけだ。
早朝から来て朝日を見るのも、きっと素敵だろう。よおし、ぐーんと大きく伸びをして軽い準備体操。ガイドさんの指導の元、軽いストレッチで筋肉をほぐして、す〜っと鼻から空気を吸って・・ふぅ〜っと口から吐いて、深呼吸をして整えたら準備完了。
「世界谷地」という名前の由来
とにかく広い湿地帯なので「世界」という名を選んだと言われているんだとか。好きだなあ、その発想。世界は広い、だ。
湿地帯は大きく「第一湿原」「第二湿原」と2つに分かれていて、2個所を順番に歩いていく。往復距離は大体2.5キロメートルで、全体の歩く時間は平均で50分程。
「だいじょうぶ、初めてでも安心して歩ける場所だからね」
柔らかな声で、くしゃっと笑うガイドさん。つられて皆が目尻を下げて微笑んだ。
安心したところで、歩き始める前に駐車場に設置してあるトイレに駆け込んだ。道中にトイレや自動販売機などは無いそうだから行っておかないと。あと水は持ってきたし、大丈夫だ。
さあ、さっそく第一湿原に向けてスタート
色鮮やかな紅葉のトンネル
ひらひらとゆるやかなターンを披露しながら落ちてくる色鮮やかな葉。上を見上げると高く大きな落葉樹のたくさんの枝と葉が、見事なトンネルを作り上げている。そこに木漏れ日が差し込んで、重なり合う橙色や朱色が芸術作品のようで、立ち止まってはシャッターを切る。だけど、レンズ越しではなく実際に自分の目で見るものが一番美しい。
ああ、綺麗だ
干したての布団のような落ち葉道
ザクザクザク・・ザッザッと、第一湿原までの道は干したての布団のようにふかふかで、ときにそれが原因で足を取られる場合もある。これはちょっと滑ることもあるかもしれない、ゴムがしっかりしているスニーカー履いてきて良かった。そう思いながら、足元をもう一度見ると可愛らしいどんぐりが葉っぱの間から顔を出していた。
熊はどんぐりを食べると聞くが、ここに食事をしに来ることは滅多にないそうだ。でも、用心のためにガイドさんのリュックからは、
リーン、リーンという熊鈴の音色が鳴り響いていた
熊は怖がるかもしれないが、
人間にはホッとする音にも聞こえる
約15分ほどで第一湿原に到着
足元の道は、ふかふか落ち葉から木道へと変わると一気に目の前の視野が開け、一面には果てしない黄金色の絨毯と栗駒の山々の景色が広がる。
紅葉の美しさとはまったく別の魅力がそこにはあった。迫力もあるのだが、なだらかでどこか優しげな山たちは神聖な雰囲気を漂わせ、人間はとても小さな存在に感じる。
なんだろう、「おじゃまします」と足を踏み入れさせてもらっている気持ちだ。
ときが経っても変わらない神秘的な空間がじんわりと心に沁み、すっかり歩くのを忘れてしまった。
世界谷地、すごいぞ!
木道を歩いて第二湿原へ
第二湿原までは、ほとんどが整備された木道を歩いていく。最初と比べて足元は軽く、歩きやすいが、ときに濡れている場合は滑りやすいので、ゆっくりと歩くことが大切だ。
木道を振り返ると、野うさぎやイタチ、リスや鹿などが木の影からひょっこりと登場してもおかしくない雰囲気だ。歩いていると、だんだんと木道が絵本の世界と現実をつなぐ道に思えてくる。
さあいよいよ、第二湿原に到着だ。ここまで約25分、息もあがらず足も痛めず、とにかく心地良さで満腹状態だ。
美しい姿に魅せられる
第二湿原は、第一湿原よりもグッと山に近く、雲がかかっていなければ山頂も綺麗に見えるそう。冬には真っ白い雪が尾根などによって絶妙な模様を描き、非常に美しい雪山景色となる。
スノーシューを履いて真っ白な白銀の世界谷地を楽しむこともできるそうだ。春・夏には高山植物が芽吹き「ニッコウキスゲ」などの美しい姿に魅せられる。ここはすごいなあ。
世界谷地トレッキングで栗駒の自然エネルギーを体中に吸収し、疲れというよりもパワーをもらった感覚。こんなにも清々しい気持ちになるなんて想像もしていなかった。
世界谷地は、いつでも待っていてくれる。また来よう
お昼ごはんは「くりこま高原カレー」
食堂のテーブルで「どうぞ」と到着を待っていた
時刻はお昼12時、栗駒山麓のめぐみ認定商品の一つ「くりこま高原カレー」が食堂のテーブルで「どうぞ」と到着を待っていた。
色づいた山々をイメージする赤黄緑の栗原産パプリカなど、ゴロンとしたたっぷりの野菜に、栗駒山に見立てられた真っ白な「ひとめぼれ」ご飯。その上には大胆にイワナのフリッターだ。とにかく、すごくいい香り。
手に持ったスプーンは勢いよく、山頂のイワナへと滑り込んだ。
あ、美味しい!
さっくりとした衣に、中のイワナがふっくらと柔らかで、スパイスが効いたカレーと一緒に食べると抜群の相性。お腹が空いていたのか、あっという間に完食。ふっと食堂から外の眺めが目に入った。こういう時間を過ごす数分間がとても贅沢で、どうかゆっくりと流れてほしいと感じた。
疲れた体をほぐすために温泉へ
大満足のお昼ご飯の後には、トレッキングで動かした足腰の筋肉をほぐすために温泉へ。露天風呂に入ると、じ〜んわりと足先から温まっていくのを感じる。
空を見上げればスカイブルーの雄大な空に、朱色の葉っぱがゆらりと飛んでいく。サーっと葉と葉が触れる音が心地良い音楽となって、チェックアウトという言葉は考えたくない気持ちになってくる。
荷物を背負いホテルを後にすると、両手を大きく上げて伸びをした。見上げた先には、ドングリの木がこちらを見つめて「また来てね」とご挨拶。
また来るよ。と思いながら、その下に落ちていたドングリをひょいと拾った。
「栗原市は、自然が私たち人間を生かし、人間が自然を生かし、上手に共存している場所」
ほんとう。そう想った私は、にんまりと笑った。
予約や宿泊施設について
●ハイルザーム栗駒
筆者が体験したのは「ハイルザーム栗駒」の【秋の世界谷地原生花園トレッキング】宿泊プランでした。(※プランは現在終了しています。詳細は施設公式ホームページまたは直接お問い合わせください)
季節ごとにさまざまなイベントやパッケージツアーが開催され、春夏秋冬の栗駒の自然をたっぷり体感したい方には特におすすめです。また、別館としても併設されてあるので、赤ちゃんや小さなお子さま連れでも安心して気兼ねなく過ごすことができます。
●愛すべき支配人ストーリー
ハイルザーム栗駒の支配人「三浦 竜さん」は、2008年(平成20年)6月14日に発生した「岩手・宮城内陸地震」のときに、車を走らせている最中に災害に見舞われ、バックミラーを見ると後ろには道路が無い危機的な状況に。猛スピードで車を走らせ道路が徐々に崩れ落ちてくるのを逃れようと、必死に前へと進みやっとの思いで逃げ切ります。
その瞬間、目の前に破損した建物の一部が落下。前にも後ろにも動けず閉じ込められてしまうのですが、その後にヘリコプターに乗った自衛隊員によって無事救出。生死を分ける危機一髪の経験をし、三浦さんはそれから物事の考え方が非常にシンプルになったと言います。多くの方が犠牲になった中で奇跡的に生かされたのには、”栗駒の地で頑張りなさい”という使命があると強く感じたそうです。
「とてもシンプルに、相手に喜んでもらうことが本当に嬉しい。与えて与えて、喜んでもらう。純粋にそれだけなんです」この三浦さんの心からの想いがこもったお宿で、栗駒の大自然を感じながら良質な時間を過ごしてみてください。
※期間限定プランのため、詳細は施設の公式ホームページまたは直接お問合せください。
●新湯温泉 くりこま荘
開湯1720年(江戸時代中期)の趣のあるお宿です。大昔から栗駒山の参拝登山をする人々の癒しの湯として愛され続けています。年齢問わず遠方からも多くのお客さまが訪れ、また常連さんも多く「野菜食べるか」とおすそ分けに来る方の姿も。現代には数えるほどしかない貴重な日本の歴史を感じられるお宿の一つです。
●愛すべき支配人ストーリー
くりこま荘の社長は、源義経の数々の伝説に興味を持ち、ある日あることを思いつきます。「義経が歩んできた素晴らしい歴史をこのまま埋もれさせるなんてもったいない! 何かできることはないだろうか・・・」
そう考えた社長は、神奈川県藤沢市にある義経の首塚(首部分だけが埋葬されている墓地)の「土(御霊土)」を専用の神輿(みこし)に入れ、なんと約43日間かけて歩き、宮城県栗駒市の判官森(はんがんもり)にある義経の胴塚(胴体だけが埋葬されている墓地)へと運びました。
およそ810年ぶりに義経の魂は、栗駒の地で一体となりました。そのときに使用した神輿と甲冑が現在も、くりこま荘の食堂に展示されています。施設内にはさまざまな義経関連の資料が展示されていて、博物館に宿泊しているような感覚になります。
写真では表現しきれないほどの味わい深さがあるお宿。ぜひ実際に体感してみてくだしさい。
●温湯温泉 佐藤旅館
時代はさかのぼり平安時代末期頃、栗原市花山の地からお湯が湧き旅人の疲れを癒す場所となりました。
佐藤旅館は700年以上の歴史を誇るお宿です。その貫禄は遠く離れた場所から見ても、その風貌から歴史を刻んできた重厚感と雰囲気がじんわりと伝わってきます。
客室の柱や床、窓枠の欄間などに日本の伝統的な建築が現代まで生かされています。お湯はもちろん、目で見ても楽しめるお宿です。
●愛すべき支配人ストーリー
佐藤旅館の先代の支配人は、2008年(平成20年)の岩手・宮城内陸地震で旅館の休業を余儀なくされ、このまま閉めてしまおうかと悩んでいたところ、当時地域おこし協力隊員の一人として活動をしていた現在の支配人「阿部幹司さん」が立ち上がります。
「私に旅館を私にやらせてください!」それを聞いた先代と地域の人たちは、驚きつつも快く受け入れてくれたそうです。阿部さんは元々仙台市出身ですが、栗原市を訪れ佐藤旅館を一目見たときに、その趣のある佇まいに魅了されてしまったそうです。
古民家など歴史ある物や建築物を大切に手入れを施し、愛情深く永く使っていくことが大好きな阿部さん。先代や常連のお客さまも阿部さんの取り組みをあたたかく見守り、ときに相談に乗ってもらったりしているそう。
阿部さんの熱心さと、まっすぐで純粋な心が多くの人たちを巻き込み、現在もさまざまな新しい取り組みが進行中です。地域の人々と共に歴史を刻む佐藤旅館をじっくりと味わってみてください。
●アネックスホテル アベ
可愛らしいチョコレートケーキのようなお宿です。JRくりこま高原駅まで車で約10分という利便性の良さに加え、秋の夕方にはマガンが伊豆沼へ向かう姿を見ることができます。
そして最大のポイントは「自転車」。宿泊されたお客さまにクロスバイク「GIANT ESCAPE(自転車)」の貸出サービスを行なっているので、本格的な自転車に乗って宿周辺(栗原市若柳)の街を散策することができます。
また、愛用の自転車をお持ちの方は自転車ごと宿泊部屋へ持ち込みが可能です。自転車好き必見のお宿です。
●愛すべき支配人ストーリー
支配人の「阿部 功さん」は、地域産業の取り組みなどをきっかけに宿泊客向けの自転車レンタルを開始。自転車はいろいろなところへ気軽に行けるし、多くの人たちに若柳の街散策や景色などを体感してもらい、この地域の良さなどをぜひ味わってもらいたいと阿部さんは微笑みます。
自転車の持ち込みができるお部屋の中は、100年以上の歴史を誇る綿織物「若柳地織」のアート作品や、マガンの群衆の写真など地域を知るヒントがいっぱい。
また、ホテル内の壁には「くりはら田園鉄道(2007年廃線)」の写真が展示され、鉄道が現役だったころの懐かしいセピア色の写真を見ることができます。
そして、宿泊部屋の廊下には大きな漫画本棚。阿部さんの斬新でユニークな仕かけがいたるところに施されている可愛らしくて素敵なホテルです。
朝夕の美しい若柳の風景を眺めながら、クロスバイクでサイクリング! これは最高の時間になること間違いなし。おすすめです。
まとめ・感想
栗原市の自然の豊かさと、私たち人間との密接な関係を改めて実感することができた旅でした。つめたく冷えた真冬の空でも、ふんわりと湯気が上がると温かく見えるように、旅で出会った人たちの包み込むような人柄が、最も素敵な部分と感じています。
栗原市を訪れる際には、どんなに恥ずかしがり屋でも「ニコリ」と笑って地域の人たちと会話をしてみてください。きっと、石のように固まった気持ちは、すぐに温泉であたたまるように解きほぐれていくと思います。さあ、いってらっしゃいませ。