女子旅 冬の花山湖でワカサギ釣り

女子旅 冬の花山湖でワカサギ釣り

更新日: 2023年04月07日(金)

とても似ているようで、ちょっぴり違う部分もある二人の仲良し女子。彼女たちの東北旅は、いつも驚きと感動が待ち受けているのだ…!

栗駒山エリア 花山

二人がやってきたのは、栗原市にある花山湖

元々、地域の人々の水がめとして花山ダムが完成し、その際に人工的に造られた湖が「花山湖」と呼ばれている。

山肌にうっすらと雪の積もる花山湖

 

雪の絨毯が敷かれた赤色の合道吊橋を渡り、ドーム船へと向かう

二人は花山湖でワカサギ釣りをするために、湖に浮かぶ「ドーム船」へ。まずは雪の絨毯が敷かれた赤色の合道吊橋をゆっくりと進み、少しずつ下へと降りていく。

 

向かう道中は、歩きやすくするために手作りの道で舗装されており、心が和む

ところどころに、歩きやすくするための工夫が施されていて、手作りの道にホッと心が和んだ頃合いで、目的地のドーム船に到着。

 

ビニールハウス型のドームが、島のようにぽっかりと湖に浮かぶ

畑で見かけるビニールハウス型の可愛らしいドームが4つ(2022年時点)、島のようにポッカリと湖に浮かんでいて、なんだか釣りをする前から面白そうな雰囲気が漂い、二人は目を輝かせながら中へ。

 

ドーム船内はしっかりとした窓ガラス付きで、救命胴衣も完備されている

「うわぁ、結構広いね!」

二人が入ったドーム船は、しっかりとした窓ガラス付きで、中はほんのり暖かい。

外気はある程度遮断してくれるドーム船だけど、冬場はしっかりと着込んでいくことが必要。また、お手洗いはドーム船の外にちゃんと完備されているし、緊急事態の際の救命胴衣も準備されている。

 

安心安全な環境で、いざワカサギ!

「わ!ここからワカサギを釣るんだね!」

カポッと木製の床の一部を開けて、中を覗き込むとそこには湖の水面。

辺りの床を注意深く見てみると、各所に扉のような蓋があってそこから釣りができる仕組みだ。

「まず、何から準備すればいいのかな?」

キョロキョロとレンタルの釣具を眺める二人。

 隣から、スタッフの方がひょいっと顔を出し、専用釣り竿の電動リールに、慣れた手つきで餌を取り付け始め、二人はその流れるような手さばきを、じぃーっと見つめた。

「ひゃああ!私、虫はダメなんだ~。」

 「この餌、ベニサシといって幼虫なんですけど、釣り餌用に改良されているのでぜんぜん汚くないし、きれいな虫……と言えばいいかな、だから大丈夫ですよ!」とスタッフの方が教えてくれた。

餌の虫をチラリと見て二人は不安そうな顔をしながらも、釣りをスタートするための気持ちの準備は完了!

「どっちが先に釣れるかな!?」

「私じゃない?」

 

まずワカサギを音でおびき寄せる

ワカサギ釣りは、リモコンのような電動リールのボタンを押して、魚を引き上げるのだが、まずはおびき寄せることが必要。

そこで、電動リールを置いている台を、ダンダンッと電動リールで叩き、音で魚をおびき寄せるのだ。

すると、ワカサギがどこからともなくやってきて、餌にかぶり付く!

その瞬間、クイックイッと釣り竿が上下に動くので、そこを見逃さずにボタンを押して引き上げるという流れだ。

さあ、一通りレクチャーを受けた二人は、いよいよ本番スタート!

「おーい、ワカサギさーん!」

一方は、湖に向かって声をかけてのぞき込み…はたまた、もう一方は釣竿の角度を調整したり、リール台をさっそく使ってみたり…。

この絶妙なタイプの違いが、大の仲良しコンビを生み出す。

釣り餌を湖に下ろしてから、数分経過したころ幸運なことにワカサギの群れが押し寄せ、チャンスをつかむ二人!

 

「あ!なんか今、動いたかも!」

「リールのボタン、ボタン!押してっ!」

「えっ、こっちも動いた~!!」

 

二人が大慌てであたふたしている一方で、きっと湖の中のワカサギたちも、これは釣られてたまるかと、上を下への大騒ぎ!

 

「ひゃあ! つ、釣れたぁあ!」

わずかな時間差で二人は見事に4、5匹を1度に釣り上げ、満面の笑みで大興奮!一方で、スススーっと、二人によって引き上げられたワカサギたちは、捕まってしまった…とばかりに、おとなしく地上へ。

花山湖のワカサギは、美しいシルバー色で大きいサイズのものだと、約9センチ台!

 

「ね、写真撮って!」

はいはい、と相手の一番素敵な角度をすぐにキャッチして、パシャリ。息ぴったりの二人だからこそ、できるベストショット技!

こんなにもワカサギ釣りに集中して、興奮してしまうとは思わなかったと驚きの気持ちを隠せない二人は、どっぷりと釣りの魅力に浸り、いつしかドーム内は無言でワカサギの声に耳を澄ます状態に。

釣ったワカサギを食べてみる

気づけばドームの外の雪景色も、太陽の光をたっぷりと受けてきれいに輝いていた。

さあ、そろそろお昼の時間になる頃。

二人は自分たちで釣ったワカサギを食べてみることに

全部で約30匹を釣ったということ、時間も忘れて夢中になるほど楽しい時間を過ごせたこと、満足できることがいっぱいあったけれど、さらにワカサギが美味しかったら、最高の女子旅!

 

どうかな、美味しいかなあ……

ピンッと尻尾まできれいに揚げられたワカサギが、熱々の湯気を上げながら二人の目の前に到着。揚げても大体7、8センチもあるというのは、結構な大物を釣り上げた証拠。

 

ついさっきまで、湖で泳いでいたワカサギたちが、黄金色の衣をまとった姿となり、それを目の当たりにした二人は、ちょっぴりしんみり……

ワカサギのありがたみを感じつつ、いただきます!

「サクッ!」

「どう?美味しい?!」

にーんまりと笑顔でお返事

 

揚げたてでサックリとした衣のワカサギは、身のホクホク食感がしっかりとあり、とても美味しい! サイズも大物だったからか、1匹丸ごと頭から尻尾まで食べるとうれしい満足感。

 

二人のお腹も旅も満たしてくれた

二人の仲よしコンビが引き寄せた、

花山湖のワカサギはお腹も二人の旅も満たしてくれた。

栗原の雄大な自然に育まれ、いつしか花山湖にはワカサギが生育し、人間の知恵がワカサギを有名にして、そして花山湖には多くの人々が日本中から集まってくる。

なんだか、いいねぇ。

ワカサギをほおばる二人のかたわらで、雪だるまがポツリとつぶやいているように見えた。

 

「ごちそうさまでした!」

立ち上がった二人の影は、長く伸びながらまた次の旅路へと向かっていった。

二人の女子旅は、これからもまだまだ続いていく

施設基本情報

名称:ワカサギ釣りドーム船

住所:宮城県栗原市花山字本沢(栗原市花山湖)

料金:大人3,000円、小学生以下2,000円

営業時間:8:00-16:00

事前予約制:予約先 花山漁業協同組合

〒987-2511

宮城県栗原市花山字本沢北ノ前112-1

TEL:090-2983-2265

※予約受付時間は10:00-11:30、14:30-16:30

※希望日の前日まで予約受付可

(最大定員数の32名に達していない場合は当日の受付も可)

 

☆補足情報:

2020年からスタートした花山湖の「ワカサギ釣りドーム船」は、当時お試しでやってみよう!と半ば挑戦として開始。しかし、年を重ねるごとに徐々に口コミで人気が広まり、現在ではドームを毎年一つずつ増設しているのだそう。

丸一日かけてじっくりと釣りを楽しむファンも定着して、500匹、600匹と大技を披露していくお客さまも。季節に見合った服装をして、あとは手ぶらで現地に向かえばすぐに釣りが楽しめる気軽さと、周囲の花山の自然を体感できるのが人気のポイント。

料金支払などの受付窓口は、ワカサギ釣りドーム船から車で約5分の場所にある「路田里はなやま 自然薯の館」で、釣り料金のお支払いとレンタル釣具セットを借りることができます。

その道具セットの中に、お持ち帰り用のビニール袋があるので、釣った後それにワカサギを入れてお持ち帰りができます。(※女子旅のお話の中ではワカサギを釣った後に調理をして食べていますが、通常はお持ち帰りが基本です)